甲高い音が聞こえた。どこかで私を呼ぶような。
頭上には晴天。そのどこかで、悪意がはじけたように思った。
行かなければ
あの母なるものに呼ばれた時のように、自然と身体が動いていた。
どこかで私と同じようなものが泣いている。
再び私はヨロイをまとう。
おそらくはとても大きな悲しみで叫んでいるのだから。
力強い羽を想起する。
どこまでも飛べそうな翼と、軽く、頑丈な身体を得た。
万が一にも人に災いが無いように。