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「ツキノ輪グマ様」
さよなら、さよなら、オサラバです。
旧い歴史は終わり、新しい毎日が山の向うで扉を開けています。
最初は暗かったこの山も、すっかりかつての光を帯びました。
切株さえも息づく季節、私のすることはもうなくて、後はのびのび育つでしょう。
枯れた花にも素晴らしい未来を。
仕事道具のバイオリンと、少しばかりの夢のタネを持って、次の山へ飛びましょう。
世は広い。まだ悲しむ場所はあるのですから、私が行って脈を蘇らせましょう。
生き生きとした金の脈を。生命の源を。
別れの宴を開きましょう。
心震わす弦の音、振動は命の原始。
奏でる音は私自身のすべてのさいわいにかけて響く。
すこしばかり寂しいけれど、きっと大丈夫、うまくやる。
さよなら、さよなら、オサラバです。
皆様に健やかな日々が訪れますように。
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